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消えゆくボチョタクシー


2010/5/18 9:00 Writer 浦島の亀

 小学校低学年の頃に住んでいたドイツでは、フォルクスワーゲンのビートル最盛期でした。あの丸っこい車です。ドイツ語ではケーファー、スペイン語ではボチョ、愛称ボチートと言います。ところが後年、大学留学で行ったドイツからは見事に姿を消していました。

 ところが、それからさらに数年してメキシコに来てみたら……あるわあるわ。あの丸こいのが赤黒黄白緑青、実にさまざまな彩りでそこらじゅうを走ってました。やはり経済的であることが売りなのはドイツと同じらしく、貧乏学生たちに特に人気。しかも助手席がないのや扉の取っ手がないのや、本当に走るのこれ?みたいなのが元気に走ってます。

 特に当時のメキシコシティでは白と緑に塗り分けたボチョタイプのタクシーが、大通りを流れる車の半分を占めようかという勢いでした。しかし時の流れはメキシコでも容赦なく、プエブラに最後まで残っていたビートル工場も2003年には閉鎖されることに。それに伴い、タクシーも2008年を最後にボチョタイプから他の小型車へと移行してしまいました。

 今ではデザインも変わって、赤と金のちょっと高級っぽいタクシーになっています。先日、久し振りに行ったメキシコシティで、ああ、ボチョがここでも見られなくなってしまった……と変な感慨にふけりながらバスの窓から車の流れを見ていましたが、ボチョタクシーは未だ全滅したわけではなく、前より数がずっと少なくなったとはいえ、まだ残っているようです。

 ところで、実際メキシコシティでタクシーに乗ろうとしたら、その料金システムから「ボチョタクシーがもっとあればなあ」と思ってしまいました。そのお話は、また来週に。

  浦島の亀
ジャーナリストレベル ジャーナリスト
担当国 メキシコ
略歴

子供のころ住んだドイツに大学生として留学し、卒業後メキシコに移住しました。

一言メッセージ
メキシコと言えば太陽とサボテンとソンブレロ、ではなくてサッカーとイグアナとマヤ遺跡です。


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