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既存の価値観を捨ててみよう


2009/4/14 20:21 Writer 江戸もん子

 4月になりました。留学に旅立つ若者が一番多い季節ではないでしょうか?普段は北米を担当して記事を書いていますが、今日はおそらく世界中どこに赴いてもいえることではないかということを書いてみたいと思います。

 日本は何でも便利なものが生産され容易く手に入り、また各種サービスもこちらから言わずともやってもらって当たり前だったりしますね。電車は時間どおりにやってくるし、1分でも遅れようものならば駅員さんの平謝りのアナウンスが飛び交い、優先席もサラリーマンがどうどうと座って居眠りをしていても誰も何もいわない、優先席を必要としている人が乗車してきても席を譲ろうとはせず、座りたければグリーン車に行けばよいという悪しき風潮も見られます。こんな風潮は日本独自の物で世界には通用しません。

 カナダでは法律が度々変わることも原因なのですが、公務員でさえも人によって言うことが違います。日本のような一律の業務徹底という言葉はあちらにはないと思っていたほうがよいでしょう。疑問を感じたり、本当の情報を得たい場合は最低3人に訪ねた方が良いと思ってください。3人に聞いて2人が同じ答えをしたら、それが正しい答えとまずは思った方がいいです。また、問い合わせや手続きをしても待てども返信がこないこともよくあることです。先方に忘れられていることがあるのでおかしいなと感じたら再度確認をすることを怠ってはいけません。先方は忘れていても非を認め謝罪してくるようなことはまずないと思うので、きりきり怒っても疲れるだけで仕方ないのでここは日本ではないのでそんなもんだと流してしまいましょう。

 渡航の際の学生ビザ等にしても、出発ぎりぎりまで発行はしてくれないと思っていたほうがいいでしょう。カナダの学生ビザは一般的に1か月前には最低でも出さないと降りないと言われています。中には1週間で降りたという人を知っていますが、それは特別の中の特別であったと思う方がいいです。うちの主人は1か月以上も前にビザの申請を出していましたが、学生ビザが出発前日の大使館が終了してしまった時間になっても下りなかったので緊張と不安で一時的にノイローゼの様になってしまいました。

 世界を見渡せば日本のように各種証明書が即日発効なんてことはまずないのですから、時間には余裕をもって何事も進めた方がいいでしょう。余裕をもって申請したはずの私の滞在延長ビザも有効期限過ぎてもなかなか発行されなくて、申請中の書類を持っているので心配することはないのにもかかわらず、新しいビザが届くまで捕まるのではないかとひやひやし、ちょっとした不法滞在者の気分を味わってしました。

 電車やバスが時間どおりにやって来ないからと怒ってもしかたがありません。日本のように時間どおりにやってくる方が珍しいのですから。カナダでは運転手がバスに乗客を乗せたままコンビニの前にバスをいきなり停めて乗客を待たせたままコーヒーやランチを買ってくるなんて日常です。最初はルーズだと思いましたが、その方が人間らしくないですか?乗客も誰一人として文句はいいません。仕事中とはいえ、のどが渇いたら水分を取るのは人間らしくて私には好感が持てるようになりました。忙しいから水すらも取れないなんていう日本人の体質には人間としてもっと自分をいたわってほしいと思います。また、職務中に水分をとっていてもそれを非難するような社会は変えていった方が良いと思っています。

 海外では日本のように高級ブランド物を好きなだけ買いこんで身に着ける生活ができないと不平を感じることが若い女性にはあるかもしれません。でも、それを逆手にとって現地でしか買えないブランドのファッションや民族衣装を買っておしゃれをするということもできるとおもいます。現地で売られている衣料はその土地に適した衣類ですので日本から持ち込む衣料品よりも快適に過ごすことができます(下着は別)。これ見よがしな高級品を身に付けていても誰もうらやんだりしません。反って分相応ではないものを身に付けていると内心馬鹿にされているとおもったほうが良いでしょう。

 うまい日本食が食べたいと思うこともあるでしょう。しかし、どんなに評判の良い日本食料理店に行くよりも、現地で手に入る食材を利用して自分なりのアレンジで日本食を作ってみてはどうでしょうか?日本食ブームもあって海外でも割高ですが日本の調味料が手に入りやすくなっています。特に北米の都市部や日本企業の多いアジア各国では困ることはないでしょう。毎日レストランで本国よりも質の劣る寿司やてんぷらを食べる生活よりも、自分で作った料理の方が健康的で飽きも来ないと思います。毎日作ることで料理の腕も上がりますよ。意外な組み合わせがとてもおいしい日本食の代用品になることがありますから、自分でいろいろ試してみるといいと思います。

 日本と同じ生活を海外でも求めるのは反って自分の生活を狭苦しくし、ストレスを貯めるだけです。日本で養った価値観はとりあえず引き出しにしまってしまって、なんでも興味をもって進んで行動してみることで自らの視野も広がり、よりよい充実した海外生活が送れると思います。創意工夫の気持ちがあれば、日本中にあふれている生活便利道具が現地にはなくても乗り越えられる気がします。
既存の価値観を引出しにしまっても譲れないものは自ら創意工夫することで乗り越えられるものです。とりあえず最初に作ってみたのは、カナダに持参し忘れて耳掃除ができずに気持ちが悪かったので、耳かきを中国系スーパーで手に入れた菜箸を加工して作りました。私には綿棒での耳掃除はどうしても耐えがたかったのですよね。不格好ながらも手作りの耳かきで久しぶりに耳掃除をしたあの時の気持ちよさといったら類を見ないくらいに気持ちがよかったです。今はインターネットを検索すれば欲しい情報はたいてい見つかりますから、こんなもの欲しいとか食べたいと思いついたら検索して自分で作ってみてください。代用品が見つかります。

 私の場合、多くの海外進出をしていく若者とは違って自らが海外生活をすると決めて渡航したわけではないですが、多くの人は好んで出て行った海外のはずなのに文化や習慣の違いから不平不満がたまることが多いと思います。しかし、日本との違いに不平不満ばかりを言っていても何も変わらないので、日本で養った既存の価値から発想の転換をして自分なりの海外生活を楽しんでください。

 最後に海外で何か困難や壁にぶち当たった時「ここは日本ではない、所詮○○だから仕方がない。」というその国を小馬鹿にし言い訳めいた言葉が意外にストレスをためずに流せる魔法の言葉でした。基本は渡航先の文化、風習を尊重して遵守するのが当然ですが、どうしてもやり切れない気持ちになった時はかなりこの小馬鹿にするような思考で気持ちが楽になりました。

  江戸もん子
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ジャーナリストレベル ジャーナリスト
担当国 カナダ、アルバータ州
略歴

2006年~2007年カナダアルバータ州エドモントン在

一言メッセージ
カナダ、アルバータ州エドモントンに2007年6月まで1年半滞在していました。そのときに色々経験したことを皆さんとシェアできれば幸いです。



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